「ELSA GeForce GTX 1650 S.A.C DDR6」レビュー

4.5

補助電源不要、ショートサイズ、GDDR6メモリを搭載をした「ELSA GeForce GTX 1650 S.A.C DDR6」をレビュー!

ELSA GeForce® GTX 1650 S.A.C DDR6
NVIDIA Turing™ GPU搭載グラフィックスボード。エルザオリジナルS.A.C静音ファンを搭載優れた静音性と冷却性を両立

特徴とスペック

ELSA GeForce® GTX 1650 S.A.C DDR6 は、ELSAオリジナルの静音GPUクーラー「S.A.C(Silent Air Cooling)」 を搭載したミドルレンジグラフィックスボードです。前世代の同クラスGPUに比べ大幅な性能向上を実現した本製品は、ボード長146ミリというコンパクトサイズともあいまって、4Kを超える高解像度/AAAタイトルゲームのプレイを実現しつつ静音性・冷却性・電力効率・コンパクト性に優れた、小型ゲーミングPCに最適な一枚です。

GDDR6メモリ搭載
本製品にはグラフィックスメモリに帯域幅128bitのGDDR6メモリを4GB搭載しており、高解像度ゲームやDirectX® 12 対応アプリも快適に動作します。

ELSAオリジナルS.A.Cファン
高負荷時でも静かな動作音を実現した、11枚ブレードファン採用のS.A.Cファンクーラーを搭載。
静かに、確実に冷却することでパフォーマンスを最大限に発揮します。

全長146mmのコンパクトな基板デザイン
本製品では搭載GPUの低発熱特性を生かしてシングルファン設計とすることで全長146ミリという超ショート設計を実現。Mini-ITXマザーボードを利用した超小型PCなどに最適です。
またPCI Express補助電源コネクタが不要なので、配線の取り回しも容易です。

4K HDR出力
DisplayPort1.4a に加えHDMI2.0b出力を搭載し、4096×2160の4K解像度を出力することができます。HDRにも対応し、美しい没入感のある体験が可能です。

NVIDIA G-SYNC®対応
最大240Hz のリフレッシュ レートや HDR などで、ティアリングのないスムーズなゲームプレイを体験しましょう。この究極のゲーミング ディスプレイは、熱狂的なゲーマーの力強い味方になります。

ゲーム配信
NVIDIA® GeForce® GTX 16シリーズ は専用のハードウェア エンコーダーを搭載し、優れた品質でゲームとストリーミングのスムーズな同時処理を実現しました。GeForce GTX 16シリーズを搭載したグラフィックス カードはOpen Broadcaster Software®(OBS)など人気のストリーミング アプリ用に最適化され、ライブ ストリーミングで最大限のパフォーマンスを発揮します。

安心の2年保証
2年間の長期製品保証により安心して製品をお使い頂けます。

主なスペック

GeForce GTX 1650 S.A.C DDR6 GeForce GTX 1650 GDDR5 GeForce GTX 1050 Ti GeForce GTX 1060 6GB
GPUアーキテクチャ Turing Turing Pascal Pascal
製造プロセス 12nm FFN 12nm FFN 14nm 16nm
GPUコア TU117 TU117 GP107 GP106
トランジスタ数 47億 47億 33億 44億
ダイサイズ 200 mm² 200 mm² 132 mm² 200 mm²
CUDAコア数 896 896 768 1280
RTコア数
Tensorコア数
TMU数 56 56 48 80
ROP数 32 32 32 48
ベースクロック 1410 MHz 1485 MHz 1290 MHz 1506 MHz
ブーストクロック 1590 MHz 1665 MHz 1392 MHz 1708 MHz
メモリ規格 GDDR6 GDDR5 GDDR5 GDDR5
メモリ容量 4 GB 4 GB 4 GB 6 GB
メモリ速度 12 Gbps 8 Gbps 7 Gbps 8 Gbps
メモリバス幅 128 bit 128 bit 128 bit 192 bit
メモリ帯域幅 192 GB/s 128 GB/s 112.1 GB/s 192.2 GB/s
TDP 75W 75W 75W 120W

GeForce GTX 1650はGTXシリーズなので、RTコアやTensorコアは実装されていない。

GeForce GTX 1650(G6モデル)は、GDDR6メモリを搭載しており、GeForce GTX 1650(G5モデル)と比較してメモリ速度とメモリ帯域幅の性能が向上している。

GeForce GTX 1650 S.A.C DDR6(以下、GTX 1650 S.A.C DDR6)の各スペックは、リファレンスモデルと同等となっている。

PCI Express 4.0に対応している環境でも、GTX 1650はPCI Express 3.0での接続となる。

※GPUーZのバスインターフェース表示がPCIe×8接続になっているが、検証は×16接続で行っている。

レビュー

パッケージと付属品

パッケージ表面

パッケージ裏面

中身を開封すると、まずはマニュアル類が上に入っている。

マニュアル類の下にグラフィックカード本体が収納されている。

ELSA GeForce GTX 1650 S.A.C DDR6 グラフィックスボード

グラフィックカード本体にはコネクタ保護キャップが付いている。

日本語インストールガイド

製品保証書

日本語ユーザーマニュアル

日本語ユーザーマニュアルは、GPUに関する設定や調整方法を細かく解説している。内容的にかなりマニアックな領域まで踏み込んでいるので、熟練者でも読み応えのある内容となっている。特に、初心者にとってこれ程頼りになるものはない。分からないことはマニュアルを読めばほぼ解決するだろう。

グラフィックカード本体外観

クーラーのカバーは金属製となっており堅牢な作りとなっている。角は全て丸く加工されており、持ったときに引っかかるところは無い。バックプレートは非搭載であるが、魅せるビデオカードでもないので気にする人はあまりいないだろう。エルザは品質管理を徹底しており、出荷前に全ての製品のチェックを行っている。実際、エルザの製品は傷一つないし、動作不良にも当たったことはない。信頼性は抜群。

ヒートシンクは、アルミ押出一体型ヒートシンクを搭載している。GTX 1650は低発熱なので、このサイズのヒートシンクであれば冷却性能が不足することはない。メモリがむき出しになっているが、ファンのエアーが直接当たるので問題はないのだろう。

ファンサイズは約85mmで、軸はスリーブベアリングなのかボールベアリングなのか不明。ELSAオリジナルS.A.Cファンは基本的にスリーブベアリングを採用しているので、GTX 1650 S.A.C DDR6もスリーブベアリング仕様のファンだと思われる。ボールベアリング特有の軸音はしないので、静音性は非常に優れている。高負荷時の風切り音は上品で、耳障りだと感じることはない。

ファンのコネクタは2ピン仕様となっているので、ファンの制御はPWMではなく電圧で制御する仕様である。回転信号がないので、モニタリングソフトではファンの回転数は常に0になっている。

サイズとインターフェース

グラフィックカード本体のサイズは、146mm(長さ) × 111mm(高さ) × 41mm(厚さ) となっている。

インターフェースは、HDMI 2.0b x 1 / DisplayPort 1.4a x 2 となっており、3画面同時出力が可能。全てNVIDIA G-SYNCに対応している。エントリークラスで良く見られるDVIポートが無いので注意。必要なら変換ケーブルを用意しよう。個人的にはDVIは不要なので、この構成は嬉しい。

以下の表は、エルザが公開している対応解像度。

サポート解像度/リフレッシュレート一覧

解像度(Pixel) DisplayPort HDMI
7680 × 4320 60Hz
5120 × 2880 60Hz
4096 × 2160 120Hz(*1) 60Hz
3840 × 2160 120Hz(*1) 60Hz
3440 × 1440 60Hz
2560 × 1600 60Hz 60Hz
2560 × 1440 144Hz(*1) 60Hz
2560 × 1080 60Hz
2048 × 1536 144Hz(*1)
1920 × 1200 60Hz 60Hz
1920 × 1080 60Hz 1080p/i
1680 × 1050 240Hz(*1)
1600 × 1200 240Hz(*1)
1440 × 900 240Hz(*1)
1360 × 768 240Hz(*1)
1280 × 1024 240Hz(*1)
1280 × 960 240Hz(*1)
1280 × 768 240Hz(*1)
1280 × 720 240Hz(*1) 720p
1152 × 864 240Hz(*1)
1024 × 768 240Hz(*1)
800 × 600 240Hz(*1)
720 × 480 240Hz(*1) 480p

※上記の数値は1画面出力での最大値であり、ご使用のディスプレイ数や解像度により出力できる解像度が制限されます。
(*1) リフレッシュレート 120Hz, 144Hz, 240Hz は対応ディスプレイとの接続時のみ設定可能です。

DELL S2721DGF」ネイティブ165Hzの高リフレッシュレートモニターをDisplayPortで2台接続してデュアルモニターにしてみたところ、どちらも165Hz(カラーフォーマットRGB)で問題なく動作した。スペック上では144Hzまでなのだが。

4Kモニター2台でも60Hz(カラーフォーマットRGB)で問題なく動作したので、デュアルモニター環境でも快適に使用できるだろう。実際にゲーム等が快適に動作するかは別の話だが。

検証

CPUは「Ryzen 9 3900X」Precision Boost Overdrive有効。メモリ速度は3600MHz。ベンチマークソフトは「FF14 漆黒のヴィランズ」を使用する。ベンチマークは、1366×768、フルHDをそれぞれ標準品質(デスクトップ)、最高品質の設定で行う。ドライバソフトはNVIDIAの「GeForce 457.09 Driver」を使用する。GTX 1650 S.A.C DDR6の各制御はデフォルト設定となっている。

ケースは「Fractal Design Define 7」で、ケースファンは付属のものではなく140mmサイズの「NF-A14 ULN」を取り付けてある。吸気側ふたつ、排気側ひとつの構成で、回転数は600rpmで固定にしている。室温は24℃。

パソコン構成
ビデオカード ELSA GeForce GTX 1650 S.A.C DDR6
CPU AMD Ryzen 9 3900X
CPUクーラー Noctua NH-U12A
メモリ G.Skill TridentZ Neo F4-3600C16D-32GTZNC(速度3600MHz)
マザーボード MSI MEG X570 UNIFY
電源ユニット オウルテック Seasonic FOCUS+ SSR-750PX
PCケース Fractal Design Define 7

検証した結果をグラフにまとめてみた。
1366×768 → グラフでは「768p」と表記。
フルHD → グラフでは「1080p」と表記。

1366×768解像度では、標準品質と最高品質共に平均フレームレートは高い数値が出ている。フルHD解像度だと、高負荷時にカクつきがやや感じられる。フレームレートを優先するのであれば標準品質や高品質に設定する方が良いだろう。標準的な重さのゲームであれば、フルHD解像度までなら快適に動作する。

ベンチマークのログを「HWiNFO64」で記録してみたので、GPU温度、ファン速度、GPUクロック、消費電力をグラフにしてみた。ファンの回転数のログが取れれば良いのだが、無理なので速度(%)にした。

かなり負荷の高い状態でも、概ね65℃以下には収まる。ただ、スリムケース等の容積が少ないケースや、エアフローの悪いケースだとGPU温度は上昇する。GTX 1650 S.A.C DDR6自体の冷却性能は優秀である。

静音性に関してはファンの回転数が分からないので体感になってしまうが、ファンノイズはケースに入っている状態であれば殆ど気にならない。GTX 1650 S.A.C DDR6はシングルファンのショートサイズモデルであるが、静音性はかなり優秀。高負荷時のノイズの大きさは、3.5インチ7200回転HDDの動作音と同じくらい。

GPUクロックは冷却に余裕があれば1700~1800MHzで安定する。負荷がかなり高い状態でも落ち込むことはあまりないので、なかなか優秀である。

消費電力はは「HWiNFO64」で取得したものなのでソフト読みになる。高負荷時で概ね75W辺りなのでスペック通り。最近のマザーボードは耐久性が高いので、消費電力が問題になることはないだろう。

総合評価

○ 良いと思った点

  • 日本語インストールガイドと日本語ユーザーマニュアルが付属
  • 2年間の長期製品保証
  • DisplayPort 1.4a出力がふたつある
  • クーラーの冷却性能が高い

✕ 悪いと思った点

  • 品質は高いが他メーカーの上位モデルが買える価格

 

GTX 1650 S.A.C DDR6は、S.A.Cファンクーラーを搭載しており、静音性と冷却性能が優秀である。ショートサイズモデルは、ヒートシンクが小さくファン速度が高速で回るものが多いが、GTX 1650 S.A.C DDR6はヒートシンクの容量は十分で、ファンの高周波ノイズが抑えられており風切り音も上品である。ショートサイズモデルで静音性の優れるビデオカードは少ないので、静かなパソコンを組みたいユーザーにとってGTX 1650 S.A.C DDR6はとても魅力的だろう。

日本語インストールガイドと日本語ユーザーマニュアルが付属している事と、保証期間が2年間と長いので、特に初心者におすすめしたい。エルザの製品は全体的に価格が高めだが、品質は最高クラスなのでトラブルが起きることはほぼ無い。これ程安心して使用できるメーカーは他にはないので、予算があるならエルザを選んでおけば間違いはない。

「GeForce GTX 1650」GDDR5とGDDR6の性能を比較してみた
GDDR5メモリを搭載した「GeForce GTX 1650 (G5)」と、GDDR6メモリを搭載した「GeForce GTX 1650 (G6)」は性能にどれ程差があるのか検証してみる。
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