演色性についての話【雑記】

ZPGBF管理人

普段、フィギュアなどを撮影している時に使用している照明機材は、これと言って特別な物は使用していません。通販で数千円あれば揃う環境で撮影しています。
比較的安価に揃えている機材ですが、その中で気を使っているのは「演色性」というものです。この演色性というのは、ある物体を照らしたときに、その物体の色の見え方に及ぼす光源の性質の事です。この性能を数値化したものが「演色評価数(Ra)」というもので、100を最良とする0~100の指数で表したものです。この演色評価数という数値が高い光源ほど良いとされています。
簡単に説明すると、この演色評価数が高い数値の照明を使えば本来の色に近い状態になります。この演色性を売りにしている商品は、パッケージ等に「高演色」と表示があります。下記商品は一例。

Amazon.co.jp
東芝 LED電球 E-CORE(イー・コア) ミニクリプトン形 5.7W E17口金 昼白色


LED照明が出始めた頃は、演色性というものはあまり重要視されていませんでした。メーカーサイトでも、商品説明に演色性を表記しているところは少なかったです。スペック一覧を見れば書いてありますが、この数値が何なのか理解している人はあまりいなかったでしょう。最近は見え方を重要視している人が多いのか、こういった商品は多く販売されています。色々選べるようになってきたのは嬉しい限りです。

さて、能書きはこれくらいにして、演色性が被写体にどれほど影響を及ぼすのか見てみましょう。今回は比較用に2種類のLED電球を用意しました。

IMG_3254.jpg

まずは5年ほど前に購入した「パナソニック LDA6N-H」と、最近購入した「GOODGOODS LD84-ZB」です。
パナソニックのLDA6N-Hはメーカーサイトに演色評価数が載っていません。東芝製で同じ型番の製品がありますが、そちらは演色評価数70とあります。恐らくパッケージの違いだけで中身のLEDは一緒でしょう。
これに対し、GOODGOODS LD84-ZBの演色評価数は95と圧倒的です。平均値なのか最大値なのか書いていないので良く分かりませんが、まぁ兎に角数値は高いです。

では、Ra70(と思われる)の「パナソニック LDA6N-H」で撮影した写真です。光源は左手前45度の場所にひとつだけ置いて撮影しています。光源→ディフューザー(光を拡散させるもの)→被写体、となっています。


IMG_3245_Ra70_P.jpg
カメラ:Canon EOS80D
レンズ:Canon 標準ズームレンズ EF-S18-135㎜
絞り優先モード F5.6 ISO400 色温度4500


よく分かりませんね。ブログに載っていても普通の人じゃ気にならないと思います。被写体の元の色合いは分からないし、モニターの設定や品質も影響してきます。この写真だけ見ると、こういうものなんだなと思ってしまいます。

次は、Ra95の「GOODGOODS LD84-ZB」で撮影した写真です。


IMG_3241_Ra95.jpg
カメラ:Canon EOS80D
レンズ:Canon 標準ズームレンズ EF-S18-135㎜
絞り優先モード F5.6 ISO400 色温度5000


カメラの設定、光源の位置と数は同じです。三脚を使用して同じ距離で撮影しています。
先程の写真と比べると色の表現が違いますね。肌は赤みが強くなって健康的に見えます。分かりやすいように写真を並べてみましょう。


IMG_3245_Ra70_P.jpgRa70
IMG_3241_Ra95.jpgRa95


並べてみると一目瞭然です。肌の色合い、衣装の赤い部分、台座の木目、Ra95の方が綺麗に見えます。これらの写真は比較しやすいよう色温度のみ調整しており、彩度、明るさ、コントラスト等は撮ったままの状態です。色温度を調整している理由は、電球の色温度が違う為です。
色温度とは、光源の色合いを示す数値です。勘違いしている方が稀にいますが、明るさの数値ではありません。単位(K)が低いほど暖色系の色、高いほど寒色系の色になります。

Ra70の方が黄色っぽく見えてしまうのは赤が弱いからだと思います。ソフトで色合いを調整してもRa95のように鮮やかにすることは出来ません。無理やり彩度を上げると不自然になります。言うまでもありませんが、自然光の元、肉眼で見た場合の色合いに近いのはRa95の写真です。Ra70の写真のように、肌は黄色っぽく見えません。これらを比較すると、演色性が重要な事がお分かり頂けると思います。

身近なところで演色性の高い照明は、白熱電球(ハロゲン含む)になります。演色評価数は最高値の100です。白熱電球は黄色いので一見するとそうは見えないのですが、色温度が低いだけで演色性は抜群です。ホワイトバランスを調整するだけで綺麗に撮れます。手元に白熱電球がある方は一度試してみては如何でしょうか。特に、料理など撮影する際は高演色の照明を当ててあげると美味しそうに見えます。

まだまだ使われている一般的な蛍光灯の演色評価数は60~75程度です。中にはRa100に近い高演色蛍光灯もあります。高演色蛍光灯はスーパーなどのショーケースに使用されている事があります。お肉とか美味しそうに見えますが、自宅で見るとスーパーで見たときと違うように見えます。これは演色性の違いに寄るものでしょう。

演色性の低い照明は水銀灯やナトリウムランプです。水銀灯は工場、ガソリンスタンド、体育館などの照明に使われています。明るくても色は鮮やかに見えません。演色評価数は40程度です。ナトリウムランプはトンネルの照明に使われています。薄暗いオレンジ色のアレです。高効率で明るいナトリウムランプですが、演色評価数は25程度です。薄暗く見えてしまうのは演色性が低いからですね。

他に身近なものだと、自動車で使用されているHID(ディスチャージヘッドライト)が水銀灯の一種です。高効率で非常に明るいのですが、ハロゲンヘッドライトと比較すると演色性が低いです。雨の日に運転していて、ハロゲンヘッドライトよりHIDの方が見にくいと感じるのはこの為です。色温度にも寄るのでしょうが。
なお、最近のHIDは環境を考慮して水銀フリーバルブ(水銀を含まない)が採用されています。水銀を含んでいる従来のものと構造的には同じです。また、LEDヘッドライトが誕生し、HIDからLEDに置き換わっています。

自動車の純正ヘッドライトの色温度は4000~4500K(ケルビン)で、HIDでもLEDでもこれくらいになっています。ハロゲンの場合は約3200Kです。自動車に使われているHIDとLEDの演色性は同程度(Ra70程度だが物に寄る)ですが、LEDの方が若干見やすく感じます。同じ明るさならハロゲンが一番見やすいでしょうね。黄色い光が格好良いかは別として。

中華製の安価なHIDキットはアマゾンなどで多く売られていますが、フルキット、バルブキット問わず品質が悪いものが多く、演色性が優れているものは殆どありません。汎用のLEDヘッドライトキットも同様です。これらは明るくても見にくいです。安いからと言って手を出すのは止めましょう。ヘッドライトに使う場合、カットラインや光軸が綺麗に出ないものがあり、対向車や歩行者に迷惑です。予算があるなら一流メーカーの物を買った方が良いです。

話が大分ズレましたが、要は照明は重要だということです。カメラが趣味の人には演色性なんて今更な話ですが、一般的にはまだまだ浸透していないのかと思います。最近主流になりつつあるLED照明の種類は多いので、興味のある方は色々と調べてみては如何でしょうか。

それでは、この辺で失礼します。

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