ドアスピーカーユニットの逆相音対策をしてみた!【ホンダ ヴェゼル】

スピーカーユニットに防音テープを貼り付けて、逆相音で音質が悪くならないように対策をしてみた。

外部パワーアンプを取り付けるのと同時に作業したスピーカーユニットの逆相音対策。同じ記事に書いてしまおうかと思ったのだが、ゲイン調整と合わせると記事が長くなるのでこれも別記事にした。内容だけ見れば、わざわざ記事にして紹介するようなものではないのだが、音質には結構影響があるのでバカにできない作業である。

逆相音というのはスピーカーユニットの裏面から出ている逆位相の音である。この音がドアパネル内部から正面に回り込んで、スピーカーユニット正面から出ている正位相の音と干渉すると、特定の周波数が打ち消されて音質が悪化してしまう。人によっては気分が悪くなってしまうこともある。

この図はドアの断面図で、黄色い矢印がスピーカーユニット正面から出ている正位相の音。赤い矢印がスピーカーユニット裏面から出ている逆位相の音。通常、ドアパネルはサービスホールがあるので、ここから逆相音が回り込んでくる。デッドニングでサービスホールを塞ぐか、緑色の位置に何かしらの物体を取り付けて逆相音が回り込んでこないように対策をすれば、音質は改善される。

最近のクルマはこの対策がちゃんとされているので、純正のスピーカーユニットとドアライニングには隙間ができないようにリブが設けられている。しかし、社外のスピーカーユニットは純正と形状が異なるので、ドアライニングと隙間ができてしまう事が多い。この隙間があると、上の図のように逆相音が回り込んできてしまう。なので、この隙間を埋めようというのが今回行う作業である。

管理人のヴェゼルに取り付けているスピーカーユニットは全てカロッツェリアで、フロントが「TS-C1730S」、リアが「TS-C1730」である。インナーバッフルは「UD-K614」というホンダ用のプロフェッショナルタイプ、所謂メタル製インナーバッフルを取り付けている。このインナーバッフルには逆相音を遮蔽する防音テープが付属しているのだが、スカスカで吹けば飛ぶような(実際飛ぶのだが)スポンジテープで、どう見ても防音性能が低そうである。しかも粘着面が紙製なので、一度貼り付けるとスピーカーに粘着剤が残って除去するのに難儀する。まるでナイスタックである。写真を取ろうかと思ったのだが、剥がすのに千切れてボロボロになってしまったので、そのままゴミ箱に直行した。後々分解する予定のある人は手間を増やすだけなので使わない方が良い。スカスカなので効果は無いに等しいだろう

辛辣だが、参考価格1万円超えの高級インナーバッフルに付属するような代物ではない。ハイグレードなものを選択する人はあんなスポンジテープじゃ満足しないだろう。ドアやライニングの形状は様々なので、ユーザーで用意しろと言って付属しない方がマシである。高品質な防音テープをオプションで用意してくれた方が良い。ボロクソ言っているが、褒めてばかりがレビューではない。管理人は、良い所はしっかり褒めるし、悪い所は容赦なくダメ出しする。もちろん、批判するだけではどこぞの無能政治家と変わらないので、改善案があればちゃんと提案はする。

どうでもいい話が長くなったが、ゴミみたいな防音テープでは全く頼りないので、こちらで厚みのあるエプトシーラーを用意した。先にスピーカーユニットとドアライニングとの隙間の距離を測っておく事を忘れずに。この距離に応じて防音テープは適切な厚みを選択しよう。

まずは、フロントスピーカーから作業をする。エプトシーラーをインナーバッフルに一周巻いて貼り付ける。気温が低いと接着が弱くなるので、必要に応じてヒートガンやドライヤーで温めながら貼り付けると上手くいく。外気温10℃以下では必須である。

上に更に一周巻いて貼り付ける。

斜め上から見た状態。

ドア全体図。ヴェゼルのドア内防水シートには、防音対策なのかエプトシーラーよりも高密度な発泡ゴムのシートが貼り付けてある。ドアライニングにもシンサレートが敷き詰めてある。車種のグレードにもよるのだろうが、最近のホンダ車は見えないところが良くなってきている。やっとトヨタ日産に追いついてきたか。

続いて、ドアライニングも同じようにエプトシーラーを貼り付ける。元々ある3センチ位飛び出しているリブはカットして平らにする。

画像は既にリブを切り取って平らにした状態。

エプトシーラーを貼り付けて完成。フロントドアの場合、ドアライニングとスピーカーの距離は2センチ程度、リアドアの場合は3センチ程度である。なので、エプトシーラーは幅20mm×高さ20mmのサイズを使用している。ライニングで20mm、スピーカーで20mmの高さがあれば、ライニングを付けたときにちゃんと密閉される。デッドニングをしていない場合、これをしっかりやるとかなり効果的なのだ。必要な長さは、17センチスピーカーで1周60センチ程度。

リアドアも同じように作業をする。

ヴェゼルのドアは作りが良いのか、しっかりチューニングすればデッドニングをしなくても中々の音質で鳴ってくれる。スティングレー(セカンドカー)の音質は余りにも酷かったので、我慢できずに納車と同時にルーフ、フロア、ドアのデッドニングをしたのだが、デッドニングしたスティングレーより、デッドニングしていないヴェゼルの方が音が良い。どういう事なの・・・。

ちなみに、下の画像はスティングレーを作業したときのもの。フォルダを漁ってたら出てきた、参考までに。

ドアパネルとドアライニングに積水化学のレアルシルトを貼り付けて振動対策。ドアライニング内側には、3Mのシンサレートを貼り付けた。アウターパネルのスピーカー裏にいつも貼っているエーモンの制振吸音材が無いので、画像は作業中のものだと思う。割としっかりやってあるが、所詮軽自動車。鉄板や内装の厚みがある普通車とは基本スペックが違うのだ・・・。

ヴェゼルであるが、逆相音対策をしっかり行ったお陰でやる前と比較して明らかに音質が改善されているのが体感できた。付属のスポンジテープは殆ど効果がなかったので無理して使う必要はないだろう。ドアのデッドニングを行えば更に良くなると思うが、面倒なのでやる気が出たらにする。

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